葛の香りに誘われて

秋の七草の一つ葛。桐の花を逆さにしたような赤紫色の花は葡萄に似た甘い香りがします。根は食材の葛粉や漢方薬として古くから用いられてきました。
花にはイソフラボンが含まれているそうです。
また、花びらを乾燥させて蜂蜜と練って丸めたものを二日酔いの薬として用いたりもします。

散歩の途中どこからともなく漂う甘い香りにふと見上げると雑木林の木々に鬱蒼と絡みつく葛の蔓の間から赤紫色の花が顔を覗かせていました。
早速摘んで持ち帰り、酵母を起こすべく水と砂糖少量を加えて瓶に詰めました。(下の写真左側)
しばらくするとシュワシュワ発酵して、そのまま飲むこともできるし、パンを焼く酵母になります。

冷蔵庫の中にはちょうど一年前に仕込んだ酵母の瓶があります。淡いピンク色の液体はサワードリンクのような味わいに変化しています。(写真右側 白い蓋の瓶)

あまりにきれいな色と芳香を液体に移してシロップも作ってみました 。
作り方は次の通り。

【葛の花シロップの作り方】
①鍋にカップ1の水を入れて沸かし、洗って花びらだけにした籠いっぱいの葛の花を入れる。
②砂糖180gを加え5、6分煮たら火を止めて鍋に蓋をして触れるくらいの温度になるまで放置する。
③レモンの絞り汁一個分を加え、鮮やかな色に変わったら茶漉しで漉しながら消毒した瓶に注ぎ、完全に冷めたら冷蔵庫で保存する。
④炭酸や水、お湯で割って飲んだり、そのまま冷菓にかけていただいたりしても。

葛の花を見つけたら試してみてくださいね。そして葛の花酵母が出来たらパンを焼いてみるのも楽しいですね。

発酵料理ラボoryzae(オリゼ)

oryzae(オリゼ)とは日本の国菌、糀菌Aspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼ)のこと。 実りの季節、稲の穂先に稲霊と呼ばれる、黒い球状の塊ができます。これが糀菌のもとです。これを培養して味噌や醤油や酒などを醸造してきた先人の知恵と糀菌への敬意を込めて「発酵料理ラボoryzae」と名付けました。 稲霊からの糀づくりをはじめ様々な発酵食づくりと丁寧な暮らしをお伝えしています。

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