お米の発酵水で臭み知らず

身欠きニシンが好きでよく煮ます。ソフトタイプではなく、硬くしっかり乾燥させた、昔ながらの上乾タイプ。時間をかけてよく干された乾物は、戻すのに時間と手間がかかりますが、その分美味しさもひとしおですね。

身欠きニシンは米のとぎ汁に浸けて戻すのが一般的ですが、わたしは米のとぎ汁を一晩置いて発酵させたものを使います。
ニシンの臭みが消え、ふっくら戻ります。ニシンを戻すのに使ったタッパーウェアの匂いもさほど気になりません。

米のとぎ汁の発酵水を取り替えながら約一週間ほど時間をかけてふっくら戻します。

流水の下で鱗や膜やあぶらを丁寧に取り除き、酒、味醂、砂糖、醤油、煎茶で調えた煮汁で煮ます。初夏に採って冷凍しておいた実山椒と自家製梅干しを入れて。
ニシンのクセを実に見事に美味しさに変える、素晴らしい影の立役者です。

今日は乾物料理をもう一つ。
冷凍庫に取り貯めておいた、出汁を引いた後の昆布。ちょうど一品作れるくらい貯まったので実山椒と合わせてあっさり佃煮を炊きました。
こうした常備菜は作っておくと食卓が少し物足りない時に助かりますね。

明日は出汁殻の鰹節でふりかけを作ろうかな。


発酵料理ラボoryzae(オリゼ)

oryzae(オリゼ)とは日本の国菌、糀菌Aspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼ)のこと。 実りの季節、稲の穂先に稲霊と呼ばれる、黒い球状の塊ができます。これが糀菌のもとです。これを培養して味噌や醤油や酒などを醸造してきた先人の知恵と糀菌への敬意を込めて「発酵料理ラボoryzae」と名付けました。 稲霊からの糀づくりをはじめ様々な発酵食づくりと丁寧な暮らしをお伝えしています。

0コメント

  • 1000 / 1000