梅しごと。

毎年季節になると梅干しを仕込みます。その時の気分で赤と白に分けてみたり、白だけだったりといろいろですが、今年は赤紫蘇をたくさん入れて真っ赤な梅干しを仕込みました。

わたしの漬ける梅干しは昔ながらの塩っぱく、酸っぱい梅干しです。保存食として理に適っているだけでなく、料理に使う時に使いやすいのです。

わたしの家にはわたしが初めて仕込んだ約四半世紀前の化石のような梅干しがあります。美しい四角形の塩の結晶に囲まれたそれは「梅干し様」とお呼びしたいような感じです(笑)
これが魚、特に青魚やクセの強い魚などを煮る時に実に良い仕事をしてくれます。
梅干し様もなんだかんだ最後の一つになってしまいましたが。

梅を漬けると副産物が取れますね。
今年は赤梅酢、ゆかり、梅塩も取れました。

わたしが漬ける梅干し昔ながらのものなので、天日に当てているうちに梅酢に塩の結晶が浮かんできます。それを取り分け、天日でさらに乾かし、フードプロセッサーにかけると、それはそれは鮮やかな梅塩が出来ます。
梅の香りもちゃんとしています。手塩に使ってお産霊をむすんだら可愛らしいでしょうね。

そう、干し上がった梅干しはすぐに食べるのではなく塩の角がとれ、味が落ち着くまで2、3ケ月待つのがおすすめです。

手間も時間もかかる。それが当たり前だった時代を生きた人たちの、惜しむことのない丁寧な仕事とそこに込められた知恵を大切にしたいと思っています。

発酵料理ラボoryzae(オリゼ)

oryzae(オリゼ)とは日本の国菌、糀菌Aspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼ)のこと。 実りの季節、稲の穂先に稲霊と呼ばれる、黒い球状の塊ができます。これが糀菌のもとです。これを培養して味噌や醤油や酒などを醸造してきた先人の知恵と糀菌への敬意を込めて「発酵料理ラボoryzae」と名付けました。 稲霊からの糀づくりをはじめ様々な発酵食づくりと丁寧な暮らしをお伝えしています。

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